夏の涼しげなうつわといえばガラスを思い浮かべますが
錫もひんやりした質感でいいななんて感じていた、ちょうどその時
槌打ち体験をする機会に恵まれました。
金槌に掘り込まれた柄によって、打ちこんだところに模様がうつります。
艶あり、艶消し、チェック、渦巻きっぽいものなど色々あって
迷いながらイメージを膨らませて打ちつけていきました。
でも、思ったようには上手くいかず
(職人さんではないので当たり前ですが)
「それもたったひとつのオリジナルだから」
と慰めてもらいながらなんとか仕上がりました。
ほんの数十分足らずのことなのに、金槌を持ち上げることや
打ちつける衝撃なので腕はかなり疲れてしまって
コツも教えてもらったのですが、当然のことながら簡単にマスターできるものでもなく
「毎日、同じ作業を続けていて腱鞘炎になったりしないですか?」と聞いたら
「もう慣れたよ。でも、こんな風に体験してもらって大変さをわかってもらえば
ここに置いてあるものが単に高いってだけじゃないことがわかってもらえるでしょ」
疲れ果てて自由がきかなくなった腕と
自分の作った不恰好な作品を見ながら納得しました。
錫はすぐ黒ずんだり、手入れが大変じゃないかと思っていたのだけれど
使って洗った後にきちんと水気を拭き取ればいいだけなのだそう。
「みんな拭く作業をしないから黒ずんじゃうんだよ。
うちの家内も洗ったらそのままだから
出掛けたあとにおじさんかこっそり拭いてるんだよ」
こっそりっというところが角が立たないよう気を遣っている様子
思い浮かべると微笑ましいそんな話もしてくれました。
自分の作ったものに注ぐ愛情を感じます。
私もいつでもピカピカを保てるよう
少しの労力を惜しまないようにしなくては。
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